『投影された宇宙―ホログラフィック・ユニヴァースへの招待』はトンデモ本かな

著名な物理学者であるデイヴィッド・ボームは、「宇宙の網羅万象は、内在秩序という縫い目のないホログラフィックな生地からできている。」あるいは「素粒子も、この宇宙にあるその他のものすべてのものも、雅やかなカーペットに織り込まれた模様の各部分と同じように、互いに別々の存在ではありえないからである。」というようなことを言っていたそうだ。ひも理論をかじると、万物は極微のひもでできているということを知る。この宇宙に存在するもの全ては振動するひもとその濃淡によって表現された世界なのだ。ボームはそういう世界であることから、この宇宙とはいったい何なのかを考えたのであろう。

この本は、ボームの考えを科学的に解説してくれる本だと思っていたのだが、そうではなかった。どちらかというとボームの考えを裏付けるような古今東西の不思議な話や奇跡だと言われている話を紹介している内容と思えばいい。だから、そういうたぐいの話を知るためにはとても面白い本だ。サイババの話から、キリストの復活や、血を流すマリア像の話や、幽体離脱や、前世を知る人たちの話を読むことができる。

まあ自分としても全てを否定するつもりはなく、“ひも”の世界を考えるためには面白い本で、ますますこの宇宙というのはなんなのかという好奇心はつきなくなっている。




"投影された宇宙―ホログラフィック・ユニヴァースへの招待" (マイケル タルボット)

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