『日本語の源流を求めて』(大野 晋)

日本語の言葉がインドのタミル語にとても似ていることに気がつき研究していくと、今も日本に残っている風俗や習慣まで似ているものがあることが分かり、遠くインドから海によって日本に文化や稲作がもたらされたことを解き明かしていく興味深い本だった。

勝っている文化に出会うと、その文化の言葉が取り込まれていくことは、英語をカタカナで使うように明らかである。この観点で分析すると、日本では縄文時代にポリネシアの言葉が先にあり、弥生時代にタミル語が、さらに中国語が取り込まれてきた歴史になる。その証が今の日本語の中にも残っているというのが驚きだけど、テレビ等によって日本全国が、どちらかというと縄文時代の色が残る東京の言葉に影響され、どちらかというと弥生時代の言葉が残る西日本の言葉が薄められていくというのは、残念なことなのかもしれない。

"日本語の源流を求めて (岩波新書 新赤版 1091)" (大野 晋)

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