NHK少年ドラマシリーズのファンにおすすめ『地球への遠い道』(眉村 卓)

角川文庫の『地球への遠い道』(眉村 卓)には、書籍タイトルの『地球への遠い道』と『さすらいの終幕』という2編がおさめられている。
好みなのは後者の方。なぜかというと、かつての人気テレビドラマであるNHK少年ドラマシリーズでいかにも映像化されそうな作品だからだ。眉村卓さんの作品のうち『まぼろしのペンフレンド』『なぞの転校生』『ねらわれた学園』などがNHK少年ドラマシリーズで映像化されており、いずれも『さすらいの終幕』のように主人公が(たしか)中学生で舞台設定も似ている。『さすらいの終幕』はタイムトラベルもので実はヒロインは現代に取り残された未来人だったというお話。
『地球への遠い道』の方は、他の太陽系外の5光年くらい遠くにある惑星に移住した人類が地球に帰ってきたのだが人類は滅亡していて…というお話。(地球との通信に往復9年かかるのに、宇宙船では2年というのは、どうして?) そういえば、『さすらいの終幕』も『地球への遠い道』も、正義感あふれる少年が主人公で、淡い恋に落ちるなぞの少女がヒロインという設定は同じだった。だから1冊にまとめているのかな。
谷俊彦さんの挿し絵イラストもいいです。この方、『時をかける少女』のイラストを担当した方なんですね。NHK少年ドラマシリーズのファンなら必読の一冊には違いない。

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