September 01, 2014

タイムトラベルものとロマンスは人気の組み合わせ?『時の娘』(創元SF文庫)

編者があとがきで書いているように、「わが国のSFファンは、ロマンティックな時間SFに弱いらしい」というのは間違いないかと実感する。日本でそのナンバーワンとして選ばれる『夏への扉』(ロバート・A・ハインライン)がずっと不動の人気であるのが何よりの証だろう。自分がジャック・フィニイが大好きになったのもこの手のSF小説に長けていたわけで、何度も映画化されている『盗まれた街』が好きだからではなかった。そのジャック・フィニイの『台詞指導』という短編もこの文庫本には入っているのでこの本を買ったわけだけど、同じような他の作家の作品も楽しめて、まさに“ロマンティックな時間SF”を堪能できた。
文庫のタイトルに使っているだけあってチャールズ・L・ハーネスの『時の娘』では、作家はどうパラドックスを緻密に考えたんだろうと読みながら感心してしまった。『時が新しかったころ』(ロバート・F・ヤング)もロマンスがいいなあ。こういう複数の作家の作品集だと知らなかった作家に興味を持って、他の作品を探し読むという広がりの可能性があるからそういう面でもいいのかもしれない。
時間SFもの好きな方におすすめの短編集でした。

"時の娘 ロマンティック時間SF傑作選 (創元SF文庫)" (R・F・ヤング他, ジャック・フィニイ)

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