記憶が薄れていくお袋の味

高校を卒業して家を出てから母親の料理を食べる機会はどんどん減っていき、たまに帰省する時だけに“お袋の味”にありつけるということになるわけだから、忘れていくのは親不幸というわけでもなかろう。
でも、自分にとってのお袋の味ってなんだったかなあと思い返してみた。

塩味の卵焼きは美味しかった記憶がある。
オムライスも作ってくれたな。
小さい頃は魚料理はダメだったので何を出されていたのかほとんど覚えてないけど、アジを素揚げしてあんかけした料理。なんていう料理だったかなあ。でも好んで食べてた記憶はない。
高校の時は弁当で、その弁当によく入れてくれてたのは卵焼きと肉団子。昔なので冷凍食品のわけはないので手作りだったんだろうな。美味しかった。
運動会などの時はお稲荷さんとちらし寿司。美味しかった。
炊き込みご飯は、“醤油飯”といってた。愛媛県の方言らしいね。竹の子の醤油飯、美味しかった。
“お菜飯”というのも大好きだった。大根の葉を刻んで混ぜたご飯。自分で再現しようとしてもなかなか同じようにできない。
木綿豆腐を1センチ厚くらいに切ってフライパンで焼いたのに、酢味噌をつけて食べる。味噌は麦味噌で作るんだけど、これもなかなか自分で再現できない。
水菜の浅漬け。当時水菜はあまり売られてなかったと思う。あの茎のしゃりしゃり感がたまらず好き。
夏になると“さつま汁”。宮崎県では冷汁というやつ。よくすりこぎで料理を手伝いさせられたので、実はスリコギは上手なんです。
今の時代では考えられないけど、お節料理はちゃんと作ってくれた。黒豆うまかった。やはりあれほどうまくできない。

でも情けないことにこのくらいしか思い出せない。
こうやって書き出してみると思い出してくる。

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